どこまでも君の友だち

むかしむかし、山の中に赤鬼と青鬼が住んでいました。
赤鬼はとても優しくて、人間と友だちになりたいと思いました。
赤鬼はお家の前に立て札を立てました。
「ボクは礼儀・正しい鬼です!どうか中に入ってボクと一緒にお過ごしください!お茶もお菓子も用意しています!」
だあれも来ませんでしたから赤鬼はとても悲しくなりました。
青鬼は赤鬼に「なんとしても人間となかよしになりたいの?」って訊ねました。
赤鬼は「人間と友だちになりたいの・・・」って答えました。
「いい考えがあるよ」

次の日、2人は人間のいる村に行き、藪の中から毬で遊んでいる子どもたちを眺めました。
突然、青鬼は藪から飛び出し、「わしはお前たちを食べるために山からやって来たんだ」って叫びました。
子どもたちは青鬼から逃げようとしました。でも1人の女の子が捕まえられてしまいました。
女の子は「誰かわたしを助けて!!!」」って泣き叫びました。 
そのとき、赤鬼が青鬼の前に現れ、打ったり蹴ったりするまねをしました。
青鬼は「女の子を放すから、もう打たないで!」って叫びました。
青鬼は急いで逃げていきました。
その夜、村人たちは赤鬼のためにパーティーを開いてくれました。赤鬼は大変・喜びました。

パーティーが終わり、真っ暗な真夜中。
赤鬼はお礼を言いたいと思って青鬼の家に急ぎました。
でも、ドアーを叩いても何の返事もありませんでした。不思議に思って、ドアーを開けてみました。
テーブルの上にあった紙を見つけました。それは青鬼からの手紙でした。

それには「赤鬼くんが人間たちと友だちになれたことでボクは本当に本当に嬉しい。ボクはこの山を後にしようと思います。というのは、ボクがまだここにいて、そして2人が友だちだって分かれば、村人たちは赤鬼くんを憎むでしょうから。ボクのことは大丈夫。何も心配することはありません。・・・どこまでも君の友だち・・・さようなら」って書いてありました。]]